障害者手帳

投稿者: | 2025年4月22日

障害者手帳とは

障害者手帳とは、身体障害のある人が各種の援護を受けるために必要な手帳です。(ここでは、「身体障害者」のことを指します)
簡単に言うと、障害者手帳は基本的にお金を貰えることはありません。今まで払っていたものが減額されるものです。障害年金とは別のものです。

交付対象

交付対象は、「上肢、下肢、体幹、視覚、聴覚・平衡、音声・言語・そしゃく、心臓、呼吸器、腎臓、ぼうこう又は直腸、小腸、免疫、肝臓等に障害があるため、日常生活が著しく制限を受けている方」となっています。(千葉県「障害者手帳のご案内」より)

自分は左半身麻痺のため、上肢と下肢が該当しました。

申請対象

2024年5月現在、脳疾患の障害者手帳の申請対象は

  • 初診日から6か月経過後の症状固定日(初診日から6か月を経過した日以後に医学的観点から、それ以上の機能回復が殆ど望めないと認めるとき)
  • 傷病が治った(固定した)日

のいずれか早い日となります。
障害年金の申請日とは異なりますが、どちらも「6ヶ月」で申請できると見ていてよいようです。

脳疾患の場合にいつから申請可能かはどこサイトを見ても細かく書いていないのですが、筆者も入院しているときに、主治医に「6ヶ月経つから障害者手帳を申請するね」と言われたので、「ああ、もうこれ以上治らないのか」と渋々了承した記憶があります。

申請方法

障碍者手帳の申請は、市町村の自治体に申請書と診断書がありますので、担当課もしくはホームページから取り寄せてください。
自分は全部、病院に任せてしまいました。お金は掛かりますが確実です。

診断書は病院で書いてもらいます。身体の測定もあります。測定は、関節はどのくらい曲がるか・伸びるか、どのくらい持ち上がるかと、握力測定、長さ測定などです。病院のリハビリテーション科にて、療法士と実施します。1時間くらいで終わります。

申請書と診断書を書いたら、あとは証明写真を撮って、それをまとめて自治体の担当課に「身体障害者手帳の申請をしたい」と提出します。あとは資料を都道府県に送って審査します。都道府県知事から交付してもらいます。交付まで約2か月掛かります。
あと、この後の手続きのためにマイナンバーの申請をしておいた方がいいです。

何ができるの?

自治体によるので詳細は各自治体を確認してください。主に以下のことができます。
自治体の「障害者のしおり」に詳しく載っています。分からないところは障害支援課などに聞いてみてください。

種類内容問合せ先
所得税障害者控除 27万円
特別障害者控除 40万円
勤務先の給与担当
または税務署
住民税障害者控除 26万円
特別障害者控除 30万円
同居特別障害者控除 53万円
勤務先の給与担当
または市役所担当課
相続税税額控除(85歳-相続開始時の年齢)×10万円
税額控除(85歳-相続開始時の年齢)×20万円
税務署
贈与税特別障害者
信託受益権の価額のうち6 千万円まで非課税
特別障害者以外で、一定の障害がある方
信託受益権の価額のうち3 千万円まで非課税
税務署
個人事業税非課税税務署
自動車税1台のみ減免市役所担当課
軽自動車税1台のみ減免(自動車税減免を受けている場合は不可)市役所担当課
NHK放送受信料世帯構成員全員が住民税非課税の場合、全額免除
上記以外で身体障害者手帳1級、2級は半額免除
市役所担当課
重度障害者医療費助成原則、通院1 回・入院1 日につき200円を負担、保険調剤は
無料
市役所担当課
補装具費の支給原則、10%の自己負担市役所担当課
日常生活用具の給付日常生活を便利にするための用具を給付(自己負担額5~10%)市役所担当課
保育料の軽減保育料の一部を軽減(一定の所得制限あり)市役所担当課
福祉タクシー利用券運賃の9 割及び迎車料金。上限720円市役所担当課
有料道路料金ETCカード割引率 50%市役所担当課
障害者自動車運転免許取得費助成費用の3分の2。10万円が限度市役所担当課
身体障害者用自動車改造費助成一件あたり10万円まで市役所担当課
タクシー会社による運賃の割引タクシー運賃の10%タクシー協会
航空運賃割引手帳をお持ちの方および、同一便に搭乗される介護者の方(お一人様まで)各航空会社
鉄道運賃割引第1 種障害者とその介護者は50%
第1、2種障害者が片道の営業キロが100キロを超える場合は50%
各鉄道会社
民営バス運賃の割引障害者とその介護者は50%各バス会社
ケーブルテレビハートフルプラン 電話、NET、TVの単品申し込みが50%(セットは対象外)JCOM
駐車場無料など(管理者に問い合わせください)各駐車場管理者
えきねっとJR(特に東日本)の乗車券予約 50%
特急券障害者割
JR東日本

ミライロとの連携

障害者手帳アプリ「ミライロ」は、スマホにダウンロードして障害者手帳と連携しこのアプリを見せることで、障害者手帳の代わりの証明書となります。
以前は知りませんでしたが、交通機関各社は知っていて、ミライロを見せれば割引してくれます。
割引情報も検索できるので、インストール必須です。

ミライロをインストール後の障害者手帳との連携には、マイポータルにて自分が障害者手帳に登録されてないといけません。障害者手帳は、県での交付後に自治体に登録されますが、自治体に登録されないと連携できません。ここは筆者も2週間くらい掛かりました。JR東日本のえきねっとでも連携が必要なので注意が必要です。

筆者の級数

私の級数は、上肢3級、下肢4級、総合で第1種2級です。
第1種・第2種は、旅客運賃割引を示しています。第1種は介護者の方についても割引を受けることができます。介助者を付けないといけない状態という判断となるのでしょうか。
更新期限は記載されていません。身体障害者は無期限のようです。(精神障害の方は2年)

筆者の手帳の使い方

自分が手帳を使うのは主に鉄道です。えきねっとで障害者登録をしておくと、通常の早割「得だ値30%」は「障害者割引得だ値30%」で購入するとさらに15%ほど安くなります(1ヶ月前の抽選なので、外れることもあります)。
両親のいる長野に行くとき、以前は車だったのですが、これなら新幹線で行っても、あずさで行ってもいいかなと思っています。
大阪へ行くのは、東海道新幹線がJR東日本ではないので特急券が割引できないのがネックです。大阪までの乗車賃と、大阪の地下鉄は割引を使えました。

その他、私の障害者手帳の使いみちは以下です。

使っているもの(割合など)

・自動車税(全免除)
・NHK放送受信料(半額)
・重度障害者医療費助成(通院200円)
・タクシー会社による運賃の割引(1割引き)
・福祉タクシー利用券(9割引き、最大720円まで)
・鉄道運賃割引(5割引き)
・民営バス運賃の割引(5割引き)
・ケーブルテレビ(約2割引き)
・駐車場(一部無料)
・所得税(40万控除)
・住民税(認定の次年度から30万控除)
・映画館(約4割引き)
・えきねっと(特急券障害者割)

そのうち有効なもの(割合など)

・相続税(税額控除(85歳-相続開始時の年齢)×20万円)
・贈与税(信託受益権の価額のうち6 千万円まで非課税)
・航空運賃割引(約4割引き)