回復期のリハビリは、その名の通り、回復期病院に転院してからのリハビリとなります。
急性期で治療を受けて、病状が安定し始めた発症から1~2ヶ月後の状態を回復期といいます。 この回復期は、身体機能の回復や日常生活に必要な動作の改善が見込めると考えられています。
PTのリハビリ(回復期)
回復期のPTになりました。急性期ではここまでやっていたよ、もうすぐ杖で歩けるよね?
療法士さんの回答は「NO」でした。様子を見るので、しばらくは車椅子でトイレも看護師さん監視で。
急性期では療法士の方針が決められて色々お試しができたけど、ここ回復期では、主治医の指示が無いと動けないようでした。担当の看護師も休みのときは新しいことはできなかったです。
さて、困った。あんなに頑張って回復してきているのに、ここで後戻りしている。
この頃は、左手の痙縮(左手が緊張して肘が曲がる)がだんだん出始めた状態でした。だから、リハビリはゆっくり実施しようという方針のようでした。自分は、早く歩きたい、車椅子から抜け出したいという想いでした。
PTは、最初は足首のマッサージと、館内の歩行練習だけ。膝下の短い装具には変わりました。
筋力はどんどん落ちていきました。
ある日私が「杖なしで歩きたい」「家族に回復してるところを見せたい」とお願いし、動画を撮ってもらいました。全然進歩していないですね。。。
途中から、平行棒によるステップ練習に入りました。右手で平行棒を掴み、右足を前にステップ。反対側も行いました。あとは、階段での踏み台昇降運動です。これらを、夕方の自主練習でやりました。回復したいという気持ちからです。自主練習は、主治医と療法士の許可が下りた場合、リハビリのない好きな時間に実施できました。私はこれを1日3回ほどやりました。3月の娘の卒業式に、車椅子ではなく杖で参加するためです。愛する娘に、父の回復を見せたい。その一心でした。
毎日自主練で、担当でない療法士さんから「UDさんはいつも自主練をやってますよねー」と声をかけてもらえるくらいやりました。
しかし、手術から4か月後も車椅子から脱出できず。
卒業式には参加できましたが、車椅子のいう条件でした。目標だった「娘の卒業式に杖で行く」には間に合いませんでした。主治医が来て「病院として、安全が保障できない」とのことでした。
これには泣きました。悔しさで、夕食抜きにして自主練に行ったほどでした。
担当のPT療法士に「なんで車椅子から抜けられないんですか?」と聞いても、曖昧な回答しか無く。
急性期ではあんなに回復したのに、回復期ではまったく進まない。
これに痺れを切らした私は、「PTを代えてください」とお願いしました。もっと理論的な人でないと納得できませんでした。担当PTが休暇のとき、身体の構造を論理的に伝えてくれる療法士を指名しました。自分にもっと新しいことを挑戦させてくれる、厳しさも持った方です。
新しいPTの療法士に代わりました。
まず、BBS(Berg Balance Scale)という検査をやりました。
BBSとは、高齢者や脳卒中患者さんのバランス能力を点数化するものです。検査は、直立したり片足で立ったりすることを数値化するものでした。
【目的】Berg Balance Scale(BBS)におけるバランス能力
歩行レベル | 平均点(得点範囲) |
1)ほぼ正常 | 56点(55~56点) |
2)屋外平地自立 | 51点(46~56点) |
3)屋内自立 | 43点(36~50点) |
4)屋内監視 | 37点(28~45点) |
5)平行棒内自立 | 29点(21~37点) |
6)平行棒内監視 | 17点(5~28点) |
これは杖の無い場合の点数なので、病院では「杖あり」4)屋内監視 の場合を35点ボーダーラインとしていました。
結果、私の点数は「32点」と出ました。
なるほど、曖昧に「できない」と言っていた意味が分かりました。最初から検査すればよかったものを。。。
車椅子生活の間に筋力が衰えてるのが原因と思いました。療法士さんが、麻痺の足の回復や痙縮を考えながら筋力を上げるリハビリを考えていることも。
そして私は、「点数が低いけれど、自分の能力が分かった中で、リスクを承知の上で杖を使った歩行をしたい。」とお願いしました。
主治医には、ちょっと足りないけれど、リハビリの中で上がるだろうということで、家族に了承を得ることが条件で許可が下りました。
さあ、ここからが勝負になりました。自分で言ったのだから、弱音を吐いちゃいけません。PT療法士さんは、元々の療法士さんと、私の指名した療法士さんのW担当となりました。毎日病院の外を歩きながらトレーニングしていきました。
4月に入り、装具を決めることになりました。整形外科医とPT療法士と装具屋の3者で患者の状態を確認しながら決定します。「オルトップ」と「タマラック」で選択しましたが、歩いたときに指先が上がるのが弱いということで、症状が重めのほうの「タマラック」になりました。タマラックのほうが足首が固定しやすく、歩いたときにしっかり踵から着地できていました。
しかしこれ、装具が指の先まであるので、左右の靴のサイズが違います。よって、医療法シューズ(これが高い…)を左右別々に購入します。


装具代は実費で払います。保険組合で償還払いです。保険組合に問い合わせてください。自分は会社の保険組合に申請しましたが、医師の「装着証明書」をかいてもらったりと色々面倒でした。
医療用シューズは左右両方で15000円でしたが、楽〇市場で片方5000円で売っていました。まあ一年経っても頑丈でキレイですが。

これは、退院前日の動画です。痙縮度合いがひどいですね。。。
回復期リハビリは、日常生活復活のため、内外での歩行、階段昇降などができるようになりました。